村上春樹は芥川賞を取れなかった
選考委員の大江健三郎の評価
「今日のアメリカ小説をたくみに模倣した作品もあったが、
それが作者をかれ独自の創造に向けて訓練する、そのような方向づけにないのが、
作者自身にも読み手にも無益な試みのように感じられた」
中村光夫の村上春樹評
「ひとりでハイカラぶってふざけている青年を、彼と同じように、
いい気で安易な筆づかいで描いても、彼の内面の挙止は一向に伝達されません」
朝日新聞の村上春樹評
「この小説は既成文壇では評価が一般的に低く、
むしろ若い、文芸誌などふだん読まない層に支持された。
雑誌で言えば『BRUTUS』や『宝島』が積極的に村上春樹を評価した」
「同時代の大江健三郎」(群像2018年8月号)と題された
大江と同世代の筒井康隆×蓮實重彦による対談において、筒井は
「1950年代から2010年代まで、ずっと大江健三郎の時代だった」と評している。
蓮實は「大江さんが作家として一番偉いと思っている」と述べた。
比較文学者小谷野敦は
「大江健三郎は戦後日本最大の作家である」とした上で、
三島由紀夫が、谷崎潤一郎が没したときに、明治末年に谷崎が現れてから没するまでの半世紀を
「谷崎朝時代」と呼んだのになぞらえて、大江がデビューした1958年以降を「大江朝時代」であるとした。